デスストランディング2に向けて1のあらずじを振り返り(ネタバレ有)

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デスストランディング あらすじ

DEATH STRANDING』は、小島秀夫監督が手がけた独創的なアクションゲームであり、荒廃した未来のアメリカを舞台に「繋がり」をテーマにした物語が展開される。

しかし、デス・ストランディングという現象や、ビーチ、BTといった専門用語が多く、ストーリーの理解が難しいと感じる人も多いだろう。

本記事では、2025年6月26日に発売が決定した「DEATH STRANDING 2」に向けて1のあらすじを確認したい人に向けて、物語の流れや主要人物の役割、ラスト・ストランディングを巡る選択について解説します。

結論として、本作は単なるSF作品ではなく、繋がりと孤独、未来への選択を問いかける作品です。物語の全貌を知りたい人はぜひ参考にしてください。

本記事はネタバレを含みますので注意ください。

  • 『DEATH STRANDING』の世界観や設定の概要
  • 主要な登場人物の関係性と役割
  • 時系列のストーリー展開
  • 繋がりと孤独をテーマにした作品のメッセージ
目次

デスストランディングのあらすじ:物語の全貌

デスストランディング あらすじ2
筆者
  • デス・ストランディングとは?
  • ビーチとBT(Beached Things)とは?
  • カイラルネットワークとアメリカ再建

デス・ストランディングとは?

デス・ストランディングとは?
筆者

本作は、プレイヤーが広大なフィールドを探索しながら「運ぶ」という行為を通じて物語を進めるという、従来のゲームとは一線を画した独創的なゲームプレイが特徴です。

特に、インターネットを介して他のプレイヤーと間接的に協力し合う「ストランド・ゲーム」という新しいジャンルが提案され、大きな話題となりました。

本作の舞台は、謎の大災害「デス・ストランディング」によって崩壊した近未来のアメリカです。この現象により、人々は都市やシェルターに閉じこもり、互いの接触を避けるようになりました。

大地には「BT(Beached Things)」と呼ばれる異形の存在が出現し、彼らに触れると大爆発「ヴォイドアウト」が発生するため、人々は外の世界に出ることすら恐れるようになっています。

また、雨のように降る「タイムフォール」は、生物や物質の時間を急激に進める特性を持ち、これがさらに外の世界を危険なものにしています。

このように人々が分断された世界で、唯一の希望となるのが「配達人」と呼ばれる職業です。

プレイヤーが操作する主人公「サム・ポーター・ブリッジズ」は、政府機関「ブリッジズ」の一員として、人々に物資を届け、同時に各地の通信ネットワーク「カイラル通信」を再接続する使命を負っています。

彼の旅の目的は、西海岸に囚われているアメリカの新大統領「アメリ・ストランド」を救出し、崩壊した国家を再建することです。

また、「デス・ストランディング」という言葉は単なる災害を指すものではなく、より深い意味を持っています。

本作のテーマの一つである「繋がり」を象徴する言葉であり、物理的な分断だけでなく、人々の心の孤立や、生命と死の境界といった概念も含まれています。

ゲームを進めるにつれて、プレイヤーは「デス・ストランディング」とは何なのか、その真の意味を理解していくことになります。

プレイヤーは、さまざまな困難に立ち向かいながら、物資の配達を通じて人々を繋ぎ、絶滅の危機に瀕した世界に希望をもたらしていきます。

単なる「配達」ではなく、その過程で人々の絆を取り戻し、物語の核心に迫ることが、本作の大きな魅力となっています。

ビーチとBT(Beached Things)とは?

ビーチとBT(Beached Things)とは?
筆者

「ビーチ」と「BT(Beached Things)」は、物語の核心に関わる重要な要素です。

これらは本作の独特な世界観を形成しており、ストーリーを進めるうえで深く理解する必要があります。ここでは、それぞれの概念とその関係について詳しく解説します。

■ ビーチとは何か?

ビーチとは、生と死の狭間に存在する異次元の空間であり、死者が現世とあの世を行き来するための場所とされています。

作中では「個人のビーチ」と「集合的ビーチ」という二つの概念が存在し、すべての人間がそれぞれ固有のビーチを持っているとされています。

これは、死後の世界が人によって異なるという哲学的な視点を含んでおり、ゲーム全体のテーマである「つながり」に深く関係しています。

特に重要なのが、アメリの持つ「上位次元のビーチ」です。彼女のビーチは個人のものを超越し、世界全体のビーチを統合する役割を持っています。

このため、彼女の存在が「デス・ストランディング」を引き起こす鍵となっているのです。彼女の決断次第で、人類は存続することも、完全に滅亡することもあり得るのです。

また、ビーチは単なる死後の世界の概念にとどまらず、現実世界とリンクしてさまざまな影響を与えます。

例えば、ビーチから「カイラル物質」と呼ばれる特殊なエネルギーが流れ出し、それがカイラル通信やBTの発生と関係していることがゲーム内で語られています。

このように、ビーチは物語の根幹を支える要素でありながら、科学的な説明がなされることで、プレイヤーに「実在しそうな概念」として受け入れやすくなっています。

■ BT(Beached Things)とは何か?

BT(Beached Things)とは何か?
筆者

BTとは、「Beached Things」の略称であり、「座礁した存在」とも訳されます。これらは、死後ビーチに渡りきれず、現世に留まった魂が物理的な存在となったものです。

通常、死者はビーチを経由してあの世へと旅立つのですが、デス・ストランディングによってその流れが阻害され、多くの魂がビーチから現世へと漏れ出すようになりました。その結果、BTという異形の存在が発生するようになったのです。

BTにはさまざまな種類があり、小規模な霧のような存在から巨大なクリーチャーまで、さまざまな形でプレイヤーの前に立ちはだかります。

特に危険なのが、人間がBTと接触した際に発生する「ヴォイドアウト」です。

ヴォイドアウトが発生すると、爆発によって広範囲が壊滅し、街や施設が跡形もなく消滅するほどの威力を持っています。そのため、人々はBTの存在を恐れ、可能な限り接触を避けるようになっています。

また、BTはタイムフォール(時間を加速させる雨)と密接に関係しており、タイムフォールが降る場所には高確率で出現します。

このため、配達を行うサムは、天候や地形を考慮しながらルートを決定する必要があります。

さらに、DOOMSと呼ばれる特殊能力を持つ者はBTを感知できるため、サムのようなDOOMS能力者は貴重な存在となっています。

このように、ビーチとBTは密接に結びついており、ゲーム全体の世界観やストーリーの根幹を成す要素となっています。プレイヤーはこれらの謎を解き明かしながら、デス・ストランディングの真相に迫っていくことになります。


カイラルネットワークとアメリカ再建

『DEATH STRANDING』の物語は、崩壊したアメリカを再建し、人々を再び繋げることを目的としています。その鍵となるのが「カイラルネットワーク」という通信システムです。

これは、従来のインターネットとは異なり、「カイラル物質」という特殊なエネルギーを用いた無線通信技術であり、圧倒的な情報伝達速度を誇ります。本章では、カイラルネットワークの仕組みと、それが果たす役割について詳しく解説します。

■ カイラルネットワークの仕組み

カイラルネットワークとは、ビーチから発生する「カイラル物質」を利用して構築された通信システムです。

従来の通信インフラとは異なり、物理的なケーブルや電波塔を必要とせず、ビーチを経由することで高速かつ大容量のデータ送信が可能となっています。これにより、遠く離れた都市同士をリアルタイムで繋ぐことができるのです。

このネットワークの最大の特徴は、「物理的なデータ」も転送できる点にあります。例えば、3Dプリンターを用いて、遠隔地からデータを送信し、その場で物資を生成することが可能になります。

これは、物流が寸断された世界において極めて重要な技術であり、物資不足に苦しむ都市やプレッパーズ(独立した生存者たち)にとって欠かせない存在となっています。

しかし、カイラルネットワークにはデメリットも存在します。カイラル物質は人体に悪影響を及ぼす可能性があり、精神疾患や自殺衝動を引き起こすことが報告されています。

また、ネットワークが強くなりすぎると、BTの出現頻度が増加することも分かっています。このため、単純にネットワークを拡大すれば良いというわけではなく、慎重な管理が求められます。

■ アメリカ再建の目的と意義

カイラルネットワークの構築は、単なる通信の復旧ではなく、アメリカという国家を再び統合することを目的としています。

作中では、サムの旅は「UCA(United Cities of America)」の復興を支援するものとして描かれています。

UCAは、かつてのアメリカ政府の後継組織であり、デス・ストランディングによって分断された都市を再び繋ぎ、国家の再建を目指しています。

しかし、すべての人々がこの再建に賛同しているわけではありません。プレッパーズの中には、UCAへの加盟を拒否する者もおり、分離独立を望むグループも存在します。

これは、現実世界における中央集権と地方分権の問題とも通じるテーマであり、単に国家を復興することが正解であるとは限らないということを示唆しています。

サムの旅の目的は、単にネットワークを繋ぐだけでなく、そうした人々の考えを尊重しつつ、最適な形で世界を再建することにあります。

プレイヤーは、各地で出会う人々と交流しながら、アメリカ再建の是非を考え、選択を迫られることになります。

このように、カイラルネットワークは単なる通信技術ではなく、人類の未来を左右する重要な要素として描かれています。

果たして、すべてを繋ぐことが本当に正しいのか、それとも新しい生き方を模索するべきなのか。プレイヤー自身がその答えを見つけることが、本作の大きな魅力の一つとなっています。

デスストランディングのあらすじ:主要人物と役割

『DEATH STRANDING』には、個性的で魅力的な登場人物が多数登場します。それぞれのキャラクターには独自の背景があり、物語に重要な役割を果たしています。ここでは、主要人物の詳細とその役割について詳しく解説します。

サム・ポーター・ブリッジズ

サム・ポーター・ブリッジズ
筆者

キャスト:ノーマン・リーダス
CV:津田健次郎

本作の主人公であり、伝説の配達人と呼ばれる存在です。サムは「帰還者」としての特殊能力を持ち、死亡しても「縫い目」と呼ばれる場所を経由して現世に戻ることができます。また、「DOOMS」という能力を持ち、BTを感知することが可能です。

最初は配達人として孤立することを望んでいましたが、旅を通じて人々との繋がりの大切さを実感し、最終的には世界の命運を担うことになります。

アメリ・ストランド

アメリ・ストランド
筆者

キャスト:リンジー・ワグナー
CV:井上喜久子

アメリカ再建の鍵を握る人物であり、ブリッジズ最後の大統領であるブリジット・ストランドの娘。彼女は西海岸に囚われているとされていますが、実際には現実世界に存在せず、「ビーチ」と呼ばれる異次元の空間にのみ存在しています。

彼女の正体は「絶滅体」と呼ばれる特異な存在であり、人類の絶滅を引き起こす鍵を握っています。

ブリジット・ストランド

ブリジット・ストランド
筆者

キャスト:リンジー・ワグナー
CV:井上喜久子

アメリカ最後の大統領であり、サムの養母。生前はアメリカ再建を目指し、ブリッジズを設立しましたが、物語の序盤で亡くなります。しかし、彼女の死後もその影響は強く残り、サムの旅に大きな影響を与えます。

デッドマン

デッドマン
筆者

キャスト:ギレルモ・デル・トロ
CV:石住昭彦

ブリッジズの医師であり、生と死に関する研究を行っている人物。彼の体の多くは移植された死者の臓器で構成されており、一般的な人間とは異なる体質を持っています。

サムのBB(ブリッジ・ベイビー)の管理を担当し、サムにとって貴重な情報源となるキャラクターです。

フラジャイル

フラジャイル
筆者

キャスト:レア・セドゥ
CV:水樹奈々

フラジャイル・エクスプレスの社長であり、レベル2のDOOMS能力者。瞬間移動(フラジャイル・トラベル)を行う能力を持っています。

過去にヒッグスと手を組んでいましたが、裏切られた経験から彼を強く憎んでいます。サムの旅に協力し、重要な場面で彼を助ける存在です。

ヒッグス・モナガン

ヒッグス・モナガン
筆者

キャスト:トロイ・ベイカー
CV:三上哲

分離過激派「ホモ・デメンス」のリーダーであり、本作の主要な敵役。DOOMSレベル7の能力を持ち、BTを自在に操ることができます。

アメリの力を利用し、世界を破壊しようと企んでいます。彼の目的は、アメリを通じて「ラスト・ストランディング」を発生させ、人類を滅亡させることです。

クリフォード・アンガー

クリフォード・アンガー
筆者

キャスト:マッツ・ミケルセン
CV:山路和弘

戦場に登場する謎の男。彼は過去にBB計画に関与し、ある目的のために行動しています。サムとの関係が深く、物語が進むにつれて彼の正体が明らかになっていきます。

ダイハードマン

ダイハードマン
筆者

キャスト:トミー・アール・ジェンキンス
CV:大塚明夫

ダイハードマン(本名ジョン)は、BB初期計画に関与しており、BBを守ろうとしたクリフを自らの手で殺害した。

しかし、実際にはクリフを心から尊敬しており、彼が何度も戦場で自分を救ってくれた恩人であると感じていた。

その後、ダイハードマンはアメリの後を継ぎ、大統領に就任する。彼はブリジットに強い愛情を抱いており、彼女への想いこそが、カイラル通信網の拡大やアメリカ統合を成し遂げる原動力となっていた。

ハートマン

ハートマン
筆者

キャスト:ニコラス・ウィンディング・レフン
CV:大塚芳忠

ブリッジズの研究者であり、ビーチを研究する科学者。彼は心臓が21分ごとに停止し、そのたびに3分間ビーチを訪れるという特殊な体質を持っています。彼の研究は、デス・ストランディングの解明に重要な役割を果たします。

ママー

ママー
筆者

(キャスト:マーガレット・クアリー
CV:坂本真綾

ブリッジズの技術者であり、過去にBTの赤ん坊を出産しました。彼女はその赤ん坊と臍帯を通じて繋がっており、自らの意思で移動することができません。サムとの出会いが彼女の運命を大きく変えることになります。

このように、『デス・ストランディング』の登場人物はそれぞれ独自の背景と目的を持ち、物語に深みを与えています。彼らとの関わりを通じて、プレイヤーはデス・ストランディングの謎に迫っていくことになります。

デスストランディングのあらすじ:時系列のストーリー展開

  • デス・ストランディング発生以前の世界
  • BB計画
  • サムの成長とアメリカの崩壊
  • サムの旅の始まり(ゲーム開始時点)
  • カイラルネットワークの接続と仲間との出会い
  • クリフとBBに隠された真実
  • ヒッグスとの決戦とアメリの正体
  • エンディングとサムの選択
  • 現代社会へのメッセージと考察

デス・ストランディング発生以前の世界

かつて、地球上の生命は通常の死生観のもとで循環していました。しかし、ある時を境に、死者があの世へと完全に旅立つことができず、現世に留まるようになりました。

この異変により、「ビーチ」と呼ばれる死後の世界と現実世界の境界が曖昧になり、死者の魂が現世に干渉するようになったのです。これが「デス・ストランディング」と呼ばれる現象の始まりでした。

この現象の影響で、世界各地ではBT(Beached Things)と呼ばれる死者の亡霊のような存在が現れ、彼らと生者が接触すると「ヴォイドアウト」と呼ばれる爆発が発生し、都市ごと消し飛ぶほどの壊滅的な被害をもたらしました。

さらに、タイムフォールと呼ばれる特殊な雨が降るようになり、この雨に触れると生物や物質が急激に老化するという現象も確認されました。

人類はこの未曾有の危機に対処するため、新たな技術「カイラル通信」や、BTを感知するための「ブリッジ・ベイビー(BB)」の開発に着手しました。

その中心にいたのが、当時のアメリカ大統領であるブリジット・ストランドと、その娘アメリ・ストランド、そして研究者たちでした。

BB計画

この時期に極秘裏に進められていたのが、「BB計画」と呼ばれるプロジェクトです。この計画では、脳死状態の母体(スティルマザー)に繋がれた胎児(BB)を使い、BTの存在を感知する能力を持たせるというものでした。

その実験の中心にいたのが、元軍人であり科学者でもあったクリフォード・アンガー(クリフ)です。

クリフは、自身の息子をBB計画に提供し、その胎児を通じてカイラルネットワークと死後の世界を結びつける研究を行っていました。

しかし、実験が進むにつれて、この計画は単なる「BT対策」に留まらず、より大きな目的のために利用されていることに気付きます。

ブリジット・ストランドとその側近であるダイハードマンが、BBを単なる道具として扱い、軍事目的や人類絶滅の管理に活用しようとしていたのです。

これに気付いたクリフは、自らの息子であるBBを救い出そうと決意します。しかし、ブリジットとダイハードマンによって彼の計画は阻止され、クリフは施設内で殺害されてしまいました。

その後、BBはブリジットに引き取られ、実験施設から救出されることになったのです。

サムの成長とアメリカの崩壊

サムは、ブリジットによって育てられましたが、成長するにつれて自らの出生に疑問を抱くようになり、やがて政府機関である「ブリッジズ」から離れ、独立した配達人として生きるようになります。

この頃の世界は、デス・ストランディングの影響で国家機能がほぼ崩壊し、生き残った人々はそれぞれの都市やシェルターに閉じこもり、孤立した生活を余儀なくされていました。

そんな中、ブリッジズの活動は続いており、彼らの目的は「カイラルネットワークを復旧し、アメリカを再建すること」でした。

しかし、多くの人々は国家の再建に興味を示さず、独自に生きる道を選んでいました。そのため、ブリッジズはサムに協力を求め、彼に「アメリ救出」と「アメリカ再建」の使命を託します。


サムの旅の始まり(ゲーム開始時点)

サムの旅の始まり(ゲーム開始時点)
筆者

物語の冒頭、サムはセントラル・ノットシティで運び屋としての仕事をしていました。

しかし、ある日、死体処理班と共に自殺死体を焼却場へ運ぶ任務を請け負った際、BTの襲撃を受け、結果としてヴォイドアウトが発生。セントラル・ノットシティは壊滅し、サムは唯一の生存者として奇跡的に生還しました。

この事件をきっかけに、サムはブリッジズに強制的に関与させられ、ブリジット大統領(サムの養母)の最期を看取ることになります。

彼女の遺言により、サムは西海岸にいるアメリを救出し、カイラルネットワークを復旧する使命を受けることになりました。


カイラルネットワークの接続と仲間との出会い

サムの旅は、東海岸のキャピタル・ノットシティを出発点とし、西海岸のエッジ・ノットシティを最終目的地とするものでした。

その道中、彼はさまざまな仲間たちと出会い、それぞれの課題を解決しながらネットワークを拡大していきます。

  • フラジャイル(瞬間移動能力を持つ女性配達人)
  • デッドマン(BBの管理を担当する医師)
  • ハートマン(ビーチの研究者で、21分ごとに死ぬ体質の持ち主)
  • ママーとロックネ(BTの研究者であり、双子の姉妹)

サムは彼らの協力を得ながら、カイラルネットワークを各地に接続していきます。

その一方で、テロリスト「ヒッグス・モナガン」との衝突も避けられず、彼はカイラルネットワークを逆に利用して世界を滅ぼそうと企んでいました。

クリフとBBに隠された真実

クリフとBBに隠された真実
筆者

物語の中盤から終盤にかけて、サムはたびたび謎の戦場へと転送され、そこでクリフォード・アンガーと遭遇するようになります。

クリフはサムに執着し、「BBを返せ」と何度も語りかけてきます。ここでは、その意味と、クリフとBBに関する真実を解き明かしていきます。

■ クリフォード・アンガーとは何者か?

クリフは元軍人であり、BB計画の研究に関与していた人物です。彼は自らの息子をBBとして提供することになりましたが、研究の本質を知るにつれて次第に疑問を抱くようになりました。

BB計画は単なる研究ではなく、赤ん坊をあの世とつなぐ「媒介」とすることで、カイラルネットワークの拡大を目論む非人道的な計画だったのです。

クリフは愛する息子を救うため、施設を脱出しようとしましたが、ブリジットとダイハードマンの妨害を受け、結果的に殺されてしまいました。

クリフが最後に見たのは、息子を抱きしめようとする自分の手が力なく落ちる瞬間でした。

■ クリフとサムの関係

筆者

ストーリーの終盤で明かされる衝撃の事実として、サムは「最初のBB」だったということが判明します。つまり、クリフの息子こそがサム・ポーター・ブリッジズだったのです。

クリフが戦場の幻影の中で「BBを返せ」と言っていたのは、彼の息子(=サム)を取り戻したかったからでした。

クリフが戦場で何度もサムに試練を与えていたのは、憎しみからではなく、サムが真実に辿り着くための試練だったとも考えられます。

最終的に、サムはクリフと向き合い、彼の思いを受け止めることで、自身のルーツを知ることになります。

このように、クリフとBBの真実は、サムの過去と現在、そして『デス・ストランディング』という物語の核心に深く関わっているのです。

ヒッグスとの決戦とアメリの正体

ヒッグスとの決戦とアメリの正体
筆者

物語の終盤、サム・ポーター・ブリッジズは長い旅路の末に、最大の敵であるヒッグス・モナガンとの直接対決に挑むことになります。

ヒッグスは、デス・ストランディングを利用して人類を破滅へと導こうとするテロリストであり、その目的のためにアメリを操り、世界を最終的な「ラスト・ストランディング」へと追い込もうとしていました。

■ ヒッグス・モナガンとは何者か?

ヒッグスは、もともと普通の配達人でしたが、DOOMS(ドゥームス)の能力に目覚めることで、次第に超常的な力を持つ存在へと変貌していきました。彼はレベル7のDOOMS能力者であり、BTを自在に操ることができます。

また、彼の信念は「人類の進化には絶滅が必要だ」というものであり、世界を崩壊へと導くことを使命のように考えています。

彼の考えの背景には、アメリとの出会いがありました。ヒッグスはアメリによってDOOMSの力を強められ、彼女の目的を果たすための「手駒」として動いていました。

しかし、彼は単なる操り人形ではなく、己の野望も持っていました。彼の最終目標は、アメリのビーチを利用してラスト・ストランディングを引き起こし、世界を「新たな秩序」に再構築することでした。

■ ヒッグスとの決戦

ヒッグスは、エッジ・ノットシティにてアメリと共に待ち構えており、サムがたどり着いた時点で最終決戦が始まります。

戦闘は、肉弾戦から始まり、次第に銃撃戦やBTを利用した戦術戦へと発展していきます。ヒッグスはDOOMSの力を駆使して瞬間移動や念動力を使用し、サムを追い詰めます。

しかし、サムはこれまでの旅の経験を活かし、巧みな立ち回りでヒッグスを追い詰めていきます。特に、BTとの戦いで培った戦術や、フラジャイルの協力によるサポートが勝敗を分ける要素となります。最終的に、サムはヒッグスを倒し、彼の野望を阻止しました。

■ アメリの正体

ヒッグスを倒したサムは、ついにアメリのもとへとたどり着きます。しかし、ここで衝撃の事実が明らかになります。

アメリは単なる大統領の娘ではなく、「絶滅体」と呼ばれる特殊な存在だったのです。

絶滅体とは、歴史上の「絶滅期」を引き起こすための存在であり、アメリは人類を終焉へと導くために生まれた存在でした。

これまでのデス・ストランディングも、彼女の存在が原因の一つであり、彼女がビーチを通じて全世界の生命を絶滅させようとしていたことが判明します。

しかし、アメリ自身は完全に破壊を望んでいたわけではありません。彼女は、「人類がいずれ滅びる運命であるならば、いっそ自らの手で終わらせたほうが良いのではないか」と考えていました。

しかし、サムとの交流を通じて、彼女は自らの選択について葛藤を抱くようになっていました。

ここで、サムはアメリに対し、繋がりの大切さを説きます。彼は旅を通して、多くの人々と関わり、分断された世界を少しずつ繋げてきました。

その結果、アメリはラスト・ストランディングを発動するかどうかの決断を迫られることになります。


エンディングとサムの選択

エンディングとサムの選択
筆者

アメリの正体が明らかになった後、サムは最後の選択を迫られることになります。

彼は、アメリと共にビーチに留まり、世界の終焉を受け入れるのか、それとも彼女を説得し、ラスト・ストランディングを阻止するのかを決めなければなりません。

■ アメリの決断

サムの言葉を受けたアメリは、自らのビーチと世界との繋がりを断つことを決意します。

これは、彼女が持つ「絶滅体」としての力を封じ込め、デス・ストランディングを遅延させることを意味します。

彼女が完全に消滅するわけではありませんが、彼女が人類と接触し続ける限り、絶滅の未来は避けられないのです。

そのため、彼女はサムに「私を忘れないで」と告げ、ビーチを閉じることで人類の存続を選びました。

その瞬間、サムは現実世界へと帰還します。しかし、彼が目を覚ましたとき、世界は確かに変わっていました。

デス・ストランディングは完全に終わったわけではないものの、BTの脅威が減少し、カイラル通信が安定する兆しが見えていました。

■ サムとBBの別れ

サムが帰還した後、ブリッジズは彼に最後の任務を与えます。それは、BB(ブリッジ・ベイビー)である「ルー」を焼却することでした。

BBは実験用の生命体であり、長期間の使用後には処分する必要があるとされていました。しかし、サムは旅を通じてルーに深い愛情を抱くようになっており、彼女を手放すことができませんでした。

焼却場へ向かう道中、サムはBBのカプセルを抱きしめ、何度も名前を呼びかけます。そして、ついに彼は決断し、ルーを焼却することを拒否しました。すると、奇跡的にBBは生き返り、彼女は小さな泣き声をあげました。

その瞬間、雨が止み、空には美しい虹がかかります。これは、世界がまだ希望を持っていることを象徴していました。サムはルーを抱え、再び新しい旅へと歩み出します。

■ 未来への希望

物語の最後、サムは配達人としての役目を終え、ルーと共に新しい人生を歩む決意をします。彼はもはや孤独な運び屋ではなく、誰かと共に生きる道を選びました。

一方で、UCA(都市連合)の大統領となったダイハードマンは、国家再建の道を歩み始めました。彼はサムに感謝の意を示しつつ、これからも人類が繋がりを求めて生きていくことを誓います。

『DEATH STRANDING』のエンディングは、決して単純な「勝利」ではありません。しかし、サムの選択が世界を変えたこと、そして未来に希望を繋げたことは確かです。

この物語は、人々が繋がりを求めることの大切さを、プレイヤーに深く訴えかけるものとなっています。

現代社会へのメッセージと考察

現代社会へのメッセージと考察
筆者

『DEATH STRANDING』は、単なるアクションゲームではなく、現代社会に対する深いメッセージを含んだ作品です。

本作では、「繋がり」と「孤立」というテーマが繰り返し描かれていますが、これは現実世界においても非常に重要な課題となっています。

■ 「繋がり」と「孤立」の問題

本作の最大のテーマは、「人と人との繋がり」です。サムの旅の目的は、カイラルネットワークを通じて都市や人々を繋げることですが、これは単なる物理的なネットワークの話ではなく、「人々の心を繋ぐ」ことを象徴しています。

現代社会では、インターネットやSNSの普及により、人と人が簡単に繋がれる時代になりました。しかし、その一方で、情報過多や匿名性の高まりによるコミュニケーションの希薄化、個人の孤立といった問題も深刻になっています。

『DEATH STRANDING』の世界では、人々は物理的に孤立し、直接会うことがほとんどない状況になっています。

しかし、サムが配達を通じて物資を届け、ネットワークを繋ぐことで、徐々に人々は再び繋がりを取り戻していきます。

ソウタ

これは、現実世界でも、直接的な人との関わりがいかに重要かを示唆しているのではないでしょうか。

■ 「ギグエコノミー」との共通点

また、本作の配達という要素は、現代社会における「ギグエコノミー(単発労働)」とも関連しています。近年、フリーランスや短期契約の仕事が増加し、多くの人々が安定した雇用ではなく、一回ごとの仕事で生計を立てるようになっています。

サムの仕事も、まさにそのような「ギグワーカー」としての働き方に近いものがあります。

ゲーム内で、サムが「いいね!」を受け取るシステムも、SNSの評価文化を反映しています。現代社会では、人々が「いいね!」を求めることで承認欲求を満たし、他者との繋がりを感じる一方で、その評価に振り回されることもあります。

本作は、こうした現実の社会構造を巧みにゲームシステムに組み込み、プレイヤーに考えさせる仕組みとなっています。

■ 環境問題と人類の未来

環境問題に関するメッセージも含まれています。ゲーム内で登場する「タイムフォール」は、あらゆるものを急速に劣化させる雨ですが、これは気候変動や環境破壊を象徴しているとも解釈できます。

また、ビーチに打ち上げられるBT(Beached Things)は、現実世界で起こっている生態系の崩壊や、大量の海洋廃棄物の問題を連想させます。

人類は進化の過程で、何度も絶滅の危機を乗り越えてきました。しかし、その裏には常に環境変化や文明の進化が関係しています。

ヒカリ

本作は、「人類は果たしてこのまま進み続けるべきなのか?」という問いをプレイヤーに投げかけているのかもしれません。

■ 「DEATH STRANDING」が示す希望

最終的に『DEATH STRANDING』は、人々が手を取り合い、協力し合うことで未来を切り開けることを示しています。

孤独な配達人であったサムは、旅を通じて人との繋がりを実感し、最終的にはその絆が人類を救う鍵となりました。

このメッセージは、現代社会に生きる私たちにとっても非常に示唆的であり、「人は一人では生きられない」という真理を改めて認識させるものとなっています。

デスストランディングのあらずじを総括

  • デス・ストランディングとは、人類の存続を脅かす超常現象である
  • BT(Beached Things)は、死者の魂が現世に留まった異形の存在
  • ビーチは生と死の狭間にある空間で、人それぞれ異なる世界を持つ
  • カイラルネットワークは、ビーチの力を利用した高速通信システム
  • サム・ポーター・ブリッジズは、孤立した世界を繋ぐ伝説の配達人
  • アメリ・ストランドは、人類の存続と絶滅を左右する「絶滅体」
  • ヒッグス・モナガンは、DOOMS能力を持つテロリストで世界の破滅を企む
  • クリフォード・アンガーは、BB計画に関与し、サムの父親でもある
  • ダイハードマンは、過去の罪を背負いながら新たな大統領となる人物
  • サムの旅の目的は、アメリ救出とカイラルネットワークの再構築
  • サムはBTとの戦いを繰り返しながら、人々の孤立を解消していく
  • 物語の終盤、サムはヒッグスと対峙し、世界の存続をかけた戦いに挑む
  • アメリが画策したラスト・ストランディングは、サムとの対話により回避された
  • BB(ルー)との絆が、サムにとって新たな希望となる
  • 『DEATH STRANDING』は、繋がりと孤独、未来への選択を問う作品である
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