全国に約1,970店舗を展開する牛丼チェーン「すき家」で、相次ぐ異物混入事故が発生し、大きな注目を集めています。
2025年1月に鳥取県のすき家 鳥取南吉方店で発生したみそ汁へのネズミの死骸混入、そして2025年3月にはテイクアウト商品のゴキブリ混入が発生。
本記事では、二つの重大な異物混入事故について整理しています。こうした連続トラブルを受け、すき家は異例ともいえる全国規模の一時閉店を決断しました。
異物が混入した店舗や公表のタイミング、すき家が打ち出した対策内容について詳しく解説するとともに、なぜショッピングセンター内の一部店舗は閉店の対象外になったのかといった疑問にも触れています。また、飲食店における一般的な衛生対策や、私たち消費者が外食時に注意すべきポイントも紹介しています。
この一連の動きは、すき家だけでなく、飲食業界全体が改めて衛生意識を高める契機ともなっており、今後の展開にも注目が集まります。本記事が現状を把握する手助けになれば幸いです。
- ゴキブリ混入が発生した具体的な店舗名と発生日
- 異物混入に対するすき家の対応と対策内容
- 一時閉店の理由と対象店舗の範囲
- 飲食店における衛生管理の重要性と消費者の視点
今度の店舗はすき家 昭島駅南店でゴキブリ混入が発生!一連の経緯

- すき家 鳥取南吉方店でネズミの死骸混入が発生(2025年1月21日)
- すき家 昭島駅南店でゴキブリ混入が発生(2025年3月28日)
すき家 鳥取南吉方店でネズミの死骸混入が発生(2025年1月21日)
まず最初に発覚したのが、2025年1月に鳥取県の店舗で発生したネズミ混入のケースです。
- 対象は「みそ汁」
- ネズミが容器に自ら入り込んだとみられる
- 公表は3月22日と遅れた
- すき家側は「ご迷惑とご心配をおかけした」と謝罪
飲食物にネズミが混入していたというのは、想像しただけでもゾッとする内容です。しかも、その公表が約2か月遅れたという点でも批判の声が上がりました。

すき家 昭島駅南店でゴキブリ混入が発生(2025年3月28日)
次に起きたのが、2025年3月28日に東京都昭島市の「昭島駅南店」で発生したゴキブリ混入事件。
- テイクアウト商品にゴキブリが混入
- 顧客からの電話で発覚
- すき家は現物を回収し、返金対応
- 同日午後5時から店舗の営業を停止
- 3月29日に公表
こちらも非常にショッキングな出来事です。ゴキブリは飲食店にとって「最も避けるべき異物」の一つであり、その存在自体が衛生管理の甘さを象徴するものと受け取られてしまいます。
すき家が全店舗を一時閉店する理由

- 顧客の信頼を守るための苦渋の決断
- ブランド全体への影響を最小限に抑える
- なぜショッピングセンター内の店舗は除外されるのか?
短期間で相次いだ異物混入事故。これを重く見た「すき家」は、一部を除く全国の店舗を対象に一時閉店を決断しました。その背景には以下のような狙いがあると考えられます。
以下はすき家公式サイトから抜粋した内容です。
現在、当該店舗における現地調査や回収を行った異物の検査を行い、混入が発生した原因の迅速な特定に努めています。
当社では2025年1月に別の店舗においても異物混入が発生していたにも関わらず、このような事態を招いてしまったことを大変重く受け止めております。
この状況を真摯に受け止め、すき家はショッピングセンター内などの一部店舗を除く全店を、3月31日(月)午前9時から4月4日(金)午前9時までの間、害虫・害獣の外部侵入、および内部生息発生撲滅のための対策を行わせていただくため、一時閉店することを決定しました。
お客様および関係者の皆様に、多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
顧客の信頼を守るための苦渋の決断
信頼を失うのは一瞬ですが、取り戻すのは時間がかかるもの。ネズミとゴキブリという、飲食業界で最もイメージが悪い異物が立て続けに見つかったことで、顧客離れは現実のものとなりつつありました。
ここで一気に対策を講じることで、
- 「衛生対策を徹底している」
- 「問題を軽視していない」
というメッセージを明確に伝えようとしているのでしょう。
ブランド全体への影響を最小限に抑える
一店舗のトラブルであっても、大手チェーンの場合は「すき家は危ない」といったイメージが広がってしまいます。ブランド全体の信頼を守るためには、すべての店舗で一斉に衛生管理を見直す必要がありました。
なぜショッピングセンター内の店舗は除外されるのか?
「一部店舗を除く」とされていますが、主にショッピングセンター内に入っている店舗が対象外になっています。理由として以下が考えられます。
- ショッピングセンター内は施設全体で衛生管理が行われている
- 単独店舗の判断で施工が難しい場合がある
- SCの営業時間や営業許可に制約がある
つまり、すでに管理体制が整っているため、今回のような特別対応の必要性が低いという判断をしたと想定されます。
ゴキブリなどの混入対策は実現できるのか?すき家の今後と私たちの視点

- 飲食店の害虫対策のリアル
- 私たち消費者ができること──衛生管理の見極め方
- 他チェーンへの波及も起こるか?
すき家の対策内容
すき家は「害虫・害獣の外部侵入、および内部生息発生撲滅のための対策」を行うと発表しています。具体的には以下のような対応が予想されます。
- 専門業者による徹底的な害虫・害獣駆除
- 店舗内の構造的な点検と改善
- 食品保管・調理エリアの徹底清掃
- スタッフへの衛生教育の強化
単なる清掃だけではなく、スタッフ一人ひとりの意識向上も大きなポイントです。
飲食店の害虫対策のリアル
飲食店にとって、害虫対策は日々の課題です。特に牛丼チェーンのように客の出入りが多く、24時間営業店舗もある業態では対策が難しいのが現実です。
一般的な飲食店で行われている対策には次のようなものがあります。
- 排水口や換気扇などからの侵入防止
- 食材の適切な温度・密封管理
- 業者による定期的な防虫処理
- ゴミの保管と処分ルールの徹底
一方で「それでも完全には防げない」という声もありますが、大手チェーンにはより厳格な管理体制が求められます。
私たち消費者ができること──衛生管理の見極め方

店舗の衛生状態を確認するポイントを知っておくと、外食時のリスクを少しでも減らすことができます。
- 店内の床や壁が清掃されているか
- スタッフの制服や手元の清潔さ
- トイレの清掃状態や備品の管理
- ドアや窓など、外からの侵入がしやすい状態になっていないか
これらをチェックすることで、店全体の衛生意識をある程度判断できます。
他チェーンへの波及も起こるか?
今回の事件は、すき家だけの問題ではありません。他の大手外食チェーンにとっても、「他山の石」となる事例です。この動きに刺激を受けて、他社も改めて衛生管理体制を見直す可能性が高まっています。
たとえば同じ牛丼業界の吉野家や松屋、またファストフードチェーン全般にも「次はうちではないか」という緊張感が走っていることでしょう。結果的に業界全体の衛生基準が底上げされるきっかけになるかもしれません。
総括:ネズミに続きゴキブリ混入!すき家が一時閉店へ 発生店舗や内容まとめ
今回の一時閉店は、「異物混入」という深刻な問題に対し、すき家が全力で対応している姿勢の表れだといえます。短期的には営業損失が大きいものの、長期的なブランド価値の維持や信頼回復を狙った戦略的な判断と見ることもできます。
再開予定は4月4日午前9時。再開後、どれだけ安心して食事ができるかは、今後の対応次第です。
消費者としては、飲食業界全体の衛生意識を高めるためにも、こうした問題を「他人事」とせず、関心を持ち続けることが大切です。